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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第77章 鏡柱と羽織



杏寿郎の口から5年前と言う単語がでて

杏寿郎がしたいと言う

やり直しの意味を考える

それが初めて彼から求婚をされた

あの蝶屋敷の中庭での求婚の
やり直しの事をさして居るのだと

あげはがハッとする


「では…蝶は…控えめに…寄せましょう…」


スッとあげはが

自分の手を斜め上に向かって伸ばすと

ひらり ひらりと…どこからか蝶が1匹

ひらり ひらりとまた1匹

ひらひら ひらひらと

集まって来るのが見えて


その花びらが舞う様にして

蝶が舞う様に羽ばたく中に立つ


その…白に銀糸の羽織が見えて


今…俺がいるこの場所は 
蝶屋敷の中庭ではなくて

自分の屋敷の広間ではあるんだが

あの5年前のあの日に
時が巻き戻ったかのようだ




あの夜に見る事が出来なかった

彼女の顔を見た時に 俺には

戦慄が走った

天女か はたまた妖精か

そう思う程に

可愛らしく それでいて美しい


あの時の彼女が 俺の目の前に居た


むしろその時よりも…今の方が…

美しさが増した様な気さえする…

それは俺の色眼鏡…なのかも知れないが


まるで あの5年前の時のままで


彼女の時間は止まっているかの様に
杏寿郎の目には映っていた


俺が彼女に初めて出会った5年前のあの時から

あげはには 変りらしい
変わりがない様に見えるが

俺は変わった あの時の俺とは違う


俺は15から 20になった


あの時の彼女とそう変わらなかった

この身の丈も

彼女を見下ろせる程になる程に伸びたし


何よりも


俺は新人の 癸の隊士ではなくて


炎柱になった



いや 違うな…

彼女は変わってないんじゃない…


俺が成長したのは 

確かに大きいのかも知れない



だが…ッ


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