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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第77章 鏡柱と羽織



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それから…どれぐらいの…

時間が経った頃だっただろうか…



いつの間にか 意識を手放して

あの後 私は

そのまま 眠ってしまって居た様だった



ゾクッと寒気にも似た様な

肌寒さを感じて あげはは目を醒ました



暗…い…な…部屋の中…


何時だろう?今は…


ぼんやりとした頭で周囲を見渡しながら

そんな事を考えてはみたものの


屋敷の中で 周囲を廊下と

部屋に囲まれている

外と面する面を持たない

内側に位置する場所にある

この部屋は 


元から 昼間でもしん…と
静まり返っていて 薄暗かったから


この部屋で彼と情交を交わしてから

どれぐらいの時間が経過したのかも

あげはには分からなかったが

いつまでもここで横になって居る

訳にも行かないし

情交を交わした後に残る倦怠感のある

身体を起して 夕飯の支度をしなければ


今夜は…屋敷の人払いを

杏寿郎はするだろうから

予め 春日さんには

食材だけは用意して貰いたいとは

お願いはしてあったので

後は料理するだけでいい…


もぞっと隣で杏寿郎が身じろぐ気配を感じて


「杏寿郎はそのままに、
私はお夕飯の支度をして参りますので…」

「あげは、さっきまであんな風に
愛し合って置いて。
俺をここに置いて行くつもりか?
君が食事の支度をするのなら、
俺は風呂の支度でもして置こう。
食事が済んだら、
一緒に風呂に入るだろう?あげは」


何も纏って居ない自分の身体に
纏う物を探して
暗い部屋の中に目を凝らすと

今いる布団の向こう側に
脱ぎ散らかしたままになっていて

畳の上で羽化した後の蛹の様になっていた

自分の着物を

あげはが拾い上げてその身に着直していると

杏寿郎が布団の上に

肘杖をついて寝転がりながら

私の姿を見ている視線が

身体中に注がれているのを感じてしまって

その視線に着物を着直している手を


あげはが止めた




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