第76章 深紅のバラと浅葱の蝶 ※R-18
「……あげは…ッ」
「んあぁぁ、はぁ、杏寿郎…、
んぅ、はぁ、あぁんッ」
私の背中には…羽は無いし…
私の身体は布団の上にあるのに…
それすらも忘れて…
自分が彼と踊りながら宙を舞う
蝶にでもなって居る様な…
ふわふわとした浮遊感に…包まれて
浮いて沈んでを繰り返す内に
無意識のままに彼の名を呼んで
その背中に腕を回して しがみつくと
「っ…は、あぁ、杏寿郎っ、んっ
はぁ、杏寿郎…ッ、あはぁあんッ」
その縋り付いた彼の背中に自分の爪先を
知らずの内に食い込ませて居て
「…ッ、あげは…」
ズチュンッズンと芯に杭を打ち込まれる度に
ギリ…っと
食い込ませている爪を突き立ててしまって居て
「はぁああっ、んんっ、杏寿郎…
ぁあ、んんっ、はぁああぁあ゛ん」
自分の中を満たして行く
その彼の吐き出した熱を
感じながらに
そのまま 意識を手放してしまって
あげはは 眠りに落ちて行った