第75章 (100+1)+1+〇=108
元々は瞑想部屋だった小さな和室は
工藤さんによって
和モダンな空間になっていて
まだ昼間の時間ではあるが
きっちりと
襖を締めきればそれなりに薄暗くて
「あげは、
さっきの花びらをここにばら撒こう」
杏寿郎がそう言って来て
こちらに手を伸ばして来たので
その手に自分が拾い集めた
バラの花びら達を包んだハンカチを乗せた
自分がハンカチに包んでいた
バラの花びら達を
まさか 褥にばら撒く事になるとは
さっきこの花びらを
拾い集めていた時の私は
想像もして居なかった事で
赤と黒の空間に
真っ赤なバラの花びらが散って
今からこの部屋で行われる
情事を想像させて来るから
ドキドキと 自分が彼にそうされて
抱かれるのを期待してしまって
自分の心臓がやかましくなって居るのを感じる