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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第75章 (100+1)+1+〇=108



槇寿郎様が杏寿郎に
私にその櫛を渡したのかと尋ねていた物で
あの時の杏寿郎は…
確か…それを私に贈る時期については


「ええ、杏寿郎が以前に
来るべき日に渡すと…
仰っておられた物にありますね。
そのお話は、憶えておりますが…。
その…こちらは?」

「俺が、贈りたかったものは、
その化粧桐箱の中身の方だが?
俺が俺自身で用意した物を、
君に贈りたいと思って居たからな。
あげは、
その箱を開けてみてくれないか?
そして、その中を見て、
受け取って貰いたいんだが」

これを贈る為に杏寿郎は
101本と1本のバラを用意して。

それを入れる為の 化粧桐箱まで

自分と私を模す様な絵柄で
描かせて用意して居たのだから


それは、きっと… 

普通の贈り物なんかじゃなくて


特別な意味を持つ…贈り物でしかなくて


カパッと音を立てながら

あげはがそれを開くと

その桐箱の中に収められていたのは


2本の簪 だった


「櫛にも同じような意味があるが…、
それには、俺の君への想いが込めてある」

「バラの花の簪…にありますね、杏寿郎」


簪を男性が女性に贈る意味は…


”あなたを守ります”


一生を…共にしたいと 

添い遂げたいと思う相手に贈る物で

櫛同様に特別な相手にしか贈らない贈り物だ


杏寿郎はこれを…満月の夜に間に合わせたいと

そう思って準備していたと言っていた…し

それに…この 簪のデザインは…

あった仕上がっていた物ではなくて

私に贈る為に 職人に作らせた物だと…

その簪の形に込められた意味を考えれば… 

分る物でしか…なくて


スッと桐箱の中に収められている
簪のバラの花をあげはが指でなぞる


「あげは、俺の手で…
君の髪に簪を挿して良いだろうか?」

「ええ。勿論にあります、杏寿郎…。
むしろ…、貴方の手に挿して頂く事にも…
この簪には意味がございましょうから…」


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