第75章 (100+1)+1+〇=108
「いや…ここにあるのは
108本のバラではなくに、
…100本のバラだが?」
「100本にありますか…?」
「後…、俺の手に…丁度
偶然にだがバラが2本あるがな?」
そう言って 杏寿郎がその手に持っていた
大輪の2輪のバラのカスミソウと一緒になった
小さな花束の中の1本を引き抜くと
その100本のバラの中に
その引き抜いた1本を加えて
101本のバラで出来たハートにすると
1本だけのバラの花束を差し出して来る
「春日の受け売り…ではあるんだがな、
1本のバラの意味は…
”俺にとってあげは、
君ははただ1人の大切な存在”と言う意味と。
それから、1と言う数字から、
ひとめぼれ…と言う意味もあるらしいからな。
あの時の君に、俺は
ひとめぼれした様な物だからな!
君が俺にとって、大切な存在である事も、
紛れもない事実だしな…。
俺から、君に贈るバラに相応しい…
意味を持ってるとは思わないか?」
むっ…と
バラを差し出されて受け取って居ながらに
あげはが不満そうな顔をして居て
杏寿郎が屋敷を留守にしていたのは
このバラを2本使った
花束を買いに行っていた様なのだが
スッと100本のバラの生け花に
杏寿郎がバラを1本加えて
101本にした方の
ハートのバラをあげはが指差して
「では、あちらは…
何でありますか?杏寿郎。
わざわざ、私の気を
こちらに引いて置いてまで。
ご自身でバラを2本用意して、
100本のバラを
101本になさったバラでありましょう?」
そう予め最初から
101本のバラを用意して置く事もできたのだ
でも、杏寿郎はそれを依頼せずに
ここに100本のバラを用意させて置いて
わざわざ その100本のバラに
自分が買って来たバラを加えて
101本のバラをこうして
私が見ている前で
自らの手でそうして用意したのだから
さっきの1本のバラの様に
この101本のバラにも
意味が何か…あるに決まってる
「知りたいか…?あげは…」