第75章 (100+1)+1+〇=108
「さぁ、あげは…!
俺から君に贈りたい物は…この先にあるんだ。
どうにも、今日までに間に合わないかと
もどかしくて歯がゆい思いをして居たんだがな。
明日に間に合って良かった。
どうしても、明日までに間に合わせたくてな。
かなり早い段階で、依頼はしては居たんだが、
今日になってしまった」
そう杏寿郎が言って来て
決戦の日…に間に合わせたいと思って居た物が
その先にあるのだと言う
こんなバラをふんだんに使って…も
その杏寿郎の贈り物が
霞んでしまったりはしないのだろうか…?
そんな不安と疑問と…期待を抱えながら
それが待っていると言う部屋へと続いている
襖をあげはがガラッと開くと
その部屋にもバラを使って
ハートが作られていたのだが
今まではバラの花びらで
ハートが作られていたのだが
その部屋は 今までのそれとは違っていて…
そのままの枝付きのバラの花が
立体的になったハートの形になる様に
手前の部分が低く…奥に行くにつれて
少しずつ高くなる様に
枝を揃えられて生けられて居て
「これは…杏寿郎が…、
依頼した事…にありますか?」
「ああ、これは俺が、依頼した事だな。
春日の実家は…華道を教えているらしいからな。
屋敷の花も春日が生けたものだし、春日自身も
師範の資格があるから教える事も出来るがな?」
「春日さんは、
華道の師範にあられたのですか。
このバラも…赤一色…にありながらに、
数種類のバラが混ぜられていて、
繊細な色味にありますね。
色味を同じ赤でありながらに、
少しずつ移り変わる様に活けられていて」
大きな生け花…では あるが
足元の剣山も見えないように
バラの花びらで綺麗に隠されて居て
屋敷を満たしていた
バラの芳香の出所はこの部屋の様だった
「杏寿郎…、このバラは…。
もしや、また、
108本…なのでありますか?」
ざっと見た目算ではあるが
それ位はありそうな感じがする