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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第75章 (100+1)+1+〇=108



廊下に置かれていた花びらは

2枚の花びらが
ハートの形になる様に置かれて居て


こんな事を考えそうなのは…どう考えても…


「杏寿郎…、このバラの花びらは…っ、
貴方が…って、杏寿郎?え?杏寿郎…?」


恐らく 杏寿郎が屋敷の使用人さんに依頼して

させた 遊びと言うか趣向なのだろうが

その辺りの主旨を確認しようと

私がこのバラの花びらを追いかけていた

後から私を追って

ついて来ていたはずの杏寿郎の方を見るも


そこには さっきまで居たはずの

この件について 何か知っているはずの

杏寿郎の姿は忽然と消えてしまっていて


「杏寿郎…?杏寿郎―?
どちらにいらっしゃるのですか?
あのー、杏寿郎――?」


そう あげはが声を張り上げてみるが

しん…と屋敷の中は静まり返っていて


慌てて屋敷の中に意識を巡らせるも… 

既に屋敷の中に杏寿郎の気配は無くて

当の杏寿郎本人は屋敷から

どこかへ私とこれを置いて
行ってしまった様だった


「ああ、このままにして置いては…
花びらがしなびてしまいますし…。
踏まれてしまっても、なりませんし」


廊下の途中まで花びらを辿っていたのをやめると

また玄関に戻って 

あげはが持っていたハンカチを広げて

落ちている花びらを玄関の物から
一枚ずつ 丁寧に拾い集めて行く

そのついでに玄関の履物も確認したのだが

杏寿郎の草履は無くなっていたので
自分が屋敷の気配を探った通りに
杏寿郎は屋敷を出ている様だった

恐らく…にではあるけど

師範がこの屋敷に来ていた時に

杏寿郎が春日さんにお願いした何か…が
これ…なのだろう…なとは

何となくには
あげはにも分かってはいたのだが

この広い屋敷に

これだけのバラの香りがしているのだから

この屋敷には花びらだけでなく

バラ本体があるはず…

それも かなり纏まった量のバラのはずだ



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