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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第75章 (100+1)+1+〇=108



ガラッと
杏寿郎が屋敷の戸に手を掛けて開くと

屋敷の中からバラの芳香がふんわりと広がって
玄関から外へと漂って来るのを感じて


「杏寿郎…、お屋敷の中からバラの香りが…」


あげはがそのバラの香りの出所を
確かめる様にして屋敷の中に視線を向けると


玄関の上り口に 一枚…


赤いバラの花びらが落ちているのが

あげはの目には映るが


バラの花びらなんて

勝手には落ちたりする物でもなければ

それなりに重さもあるので

桜の花びらの様に風に舞う様な物でもない


その上に 一歩中に踏み込んで気が付いたが

屋敷の中にバラの芳香が満ちていて

とても それの出所が この一枚の花びらで

ある筈など 到底あり得る事ではないのは

何も知らないあげはにも

理解をする事は容易に出来る物であった



だとしたら…


この赤いバラの花びらは

誰かが何かを目的として

この場所に故意に置いた物…と言う事になる


「ああ、見てみろ。あげは。
あそこにも落ちてるな…花びらが」


杏寿郎が玄関から少し先の廊下にも
花びらが同じ様に落ちていると
この場合は置いてあるが正しいのだろうが
その少し先にある
バラの花びらを指差しながら言って来て


あげはがその花びらに目を向ける

そのバラの花びらを追う様にして

その先に視線を向けると

更に先にも バラの花びらがあるのが見えて

玄関に落ちていたその赤いバラの花びらは

さながら 

ヘンゼルとグレーテルのパンの欠片の様に

道しるべとなって

点々と屋敷の奥の方へ…と続いている様だった


「一体…、この先に…は、何が…」


この花びらがどこへ続いているのだろうかと

その先を… 花びらの道しるべを辿りながら

あげはが追って行くと

等間隔に落ちて…いや置いてある 


花びらは 一枚の時もあれば…


「花びらが、2枚…」



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