第74章 ちょっとした逢引
その後にはお造りの盛り合わせ
ウニの殻にウニが盛り付けられていて
マグロやハマチとイカに鯛も一緒に盛られていた
その次には揚げ蕎麦豆腐が出されて
前菜の盛り合わせの中には
そのままの蕎麦豆腐もあったが
今度は揚げ出し豆腐に姿を変えていて
またそのままの状態とは
異なる美味しさがあった
「美味いっ!美味い!
普通の揚げ出し豆腐も美味いが、
蕎麦豆腐の揚げ出し豆腐も美味いな!」
そう言って会席料理なのに
もっとこれが食べたいと杏寿郎が言って
お代わりの揚げ蕎麦豆腐をお願いしていて
その次には
蕎麦の巻き寿司と蕎麦の稲荷寿司が来て
そうめんの巻き寿司もあるが
蕎麦を酢飯の代りに巻いたのが凄いなと
感心してしまいながら蕎麦のお寿司を頂いて
お口直しですと言って運ばれて来たのは
蕎麦千代口に入った
お口直しに丁度の量のいくら蕎麦だった
いくらのたっぷりと乗った蕎麦をじっと
あげはが眺めたままで
それを食べる様子が無かったので
「どうしたんだ?食べないのか?
いくら蕎麦、美味いぞ。あげは」
「いえ、いくら蕎麦を頂くのは
その、私も…初めてですので…」
杏寿郎がもっとこれも食べたいと言って
蕎麦千代口ではなくて
普通の蕎麦の量でと頼んでいたので
普通の丼の大きさなら
これだけのいくらを使ってるなら
お値段を…想像してしまいながらも
美味しそうにそれを
平らげる杏寿郎を見て居ると
それに私も便乗させて貰って
蕎麦千代口サイズのを
もう1杯頂きたいとお願いをした
「美味いだろう?いくら蕎麦。
蕎麦といくらも合うんだな!」
「ええ。美味しいです…ね、杏寿郎」
鴨せいろは蕎麦を普通に
ざるそばとしても食べる事も出来て
多めのざるそばは二度美味しい様になっていて
鉄板の上で甘辛いタレで焼いて頂く
鴨とネギの鉄板焼きも絶品の味だった
天ぷらの盛り合わせも運ばれて来て
ここの鴨料理は絶品だったので
杏寿郎が鴨南蛮蕎麦と普通のざるそばも
更に追加で注文していて
美味しそうにそれを食べていたので
その杏寿郎の姿を眺めていた