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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第9章 療養編 煉獄家にて


「君の顔、良く見ても…いいか?」

とは言っても 寝室はいい感じの薄明かりに
調光してあって かなり顔を近づけないと
見えないんじゃないかと思っていたら

スッと杏寿郎の指が
あげはのフェイスラインに
掛かっているサイドの髪を除ける様に
耳にかけさせると右の頬にある傷跡を
確認している様だった

目立たない薄い線みたいな傷なのに…

「触っても…大丈夫か?」
「え、ええ。治ってる傷なので
…大丈夫ですけど」

指の腹でそっと傷跡をなぞる様にして
撫でるとその傷に恭しく口付けをする
しばらく その右頬の傷に口付けると

「で、もう、一箇所の方は…、どうなんだ?」

ビクッ 杏寿郎の言葉にあげはが
身を固くしたのがわかった

「そっちも、もう抜糸したので、
…治りましたよ」
大丈夫なので 気にしないでと言うような
口調で言ってのけたので

「そっちの傷は、見せられないのか?」

催促するようにもう一度尋ねる

「あの、ですね…、その…太ももの所のですね
それも、結構上の方なので…ですね」

「何も、全てを見せろと
言っているわけじゃないんだ
傷だけで…いいのだが?見せれないのか?」

ズイッと彼女との距離を詰めると
「君が、見せないと言うのなら…。
勝手に見るがいいのか?」
「見せないって、てか、見る…?って」

あれ?それ
こっちから見せても 勝手に見られても
見せるしか選択肢 ないような?

こちらを見ている杏寿郎の視線が
見せれないと答えるのを
許してはくれそうになくて
見せれないと言えば それこそ勝手に見ると
その目が言っていて

「どっちなんだ?右か…左か?」
と確認されて
その視線から顔を逸らせると
「…左…です」
と小さい声で答えた

あげはの寝巻きの少し捲り上げて
あげはの左脚が膝の少し上まで露わになる
太ももと呼ばれる部分はもう少し上だが

薄ら明かりの中で浮かぶ
彼女の白くそれで居て
スラリと伸びた脚はなんとも
艶かしくて美しい 芸術的ですらある

傷を見せろと言っておきながら
しっかりと足を見てしまっていて
彼女が嫌がったのは
それでだなと思ってしまった

胡蝶が人目につかない場所とは言っていたが
成程 更に上か… 彼女が俺に見せるのを
恥ずかしがるのも無理はないな

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