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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第74章 ちょっとした逢引





「なら、決まりだな。行こう」



そう言って 杏寿郎が
あげはの方へと手を差し出して来て

差し出された手に
あげはが自分の手を重ねると
ぎゅっと…重ねた手を
杏寿郎に握られて手を繋ぐ形になる

そのまま一緒に
まだ人の姿もまばらな通りを
芝居小屋を目指して 手を繋いで歩いた








そのままお芝居を観に行って 

芝居を観終わる頃には

丁度お昼にいい時間になっていたので

杏寿郎が言っていた 

春日さんに教えて貰ったと言う

趣のある感じの離れのある蕎麦屋へと向かった


「ここだな」

辿り着いたのはごくごく一般的な
店構えの蕎麦屋で

ここから見る限りは

離れがある様には見えないが

蕎麦屋の暖簾をくぐった

杏寿郎に続いて

あげはもその暖簾をくぐると


店内は丁度お昼時と言う事もあり

注文された蕎麦を店員が慌ただしく
厨房と客の元を右往左往しながら運んでいて

普通のカウンターと
テーブルで蕎麦を食べられる席は

ほぼ 満席の状態で盛況の様だった


店の奥側には二階へと続く階段があったので

普通に この建物の二階でも蕎麦が…

その ゆっくりと
2人だけで楽しめる様にはここも
なっているようだったけども

『へい、いらっしゃい。お客さん。
悪いが…下は満席でねぇ。
お二人さんなら、どうだい?
二階の部屋なら空いてるよ?』

杏寿郎が下は満席なので二階へはどうかと
こちらに対して声を掛けて来た店員に対して
離れの個室を使いたいと言うと
深々と頭を下げて
私達を離れの個室へと案内してくれた

離れへは厨房の端を通って 土間を抜けて

店の部分の奥へと敷地を進んで抜けた先に

小さな庵の様な独立した建物が見えて

入口こそは普通の戸になっているが

その建物の感じから見るには

茶室だったのを個室に改装した離れの様だった


確かに

元が茶室なのであるのなら…

趣のある…粋な離れには違いないだろう



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