第71章 昼下がりの秘め事 ※R-18
そのまま 一緒にお風呂に入って
染みて汚してしまった下着も
新しい下着と交換したのだが
支度を整えて髪を結い直して
化粧を整えて居ると
鏡台の鏡にこちらを見ている
杏寿郎の姿が見えて
「杏寿郎…にお願いしたい事があるのですが…」
そう言って
こちらにとあげはが杏寿郎を呼びよせると
持っていた化粧道具を纏めていた
蝶の付いたちりめんの巾着から
見覚えのある板紅をあげはが取り出して
「あげは、これは…、俺が贈った紅だな?」
「ええ、杏寿郎の手で私に、
紅を差して頂きたくありまして」
「ああ、わかった。あげは…、
君のお望みとあらば」
彼の指が 私の唇をなぞりながら
唇に赤い紅を乗せて塗って行って
唇から指を離すと
満足そうな顔をしてこちらを見ていた
「やはり、この紅を君に贈って正解だったな。
何時もの色も似合ってるが、俺の
贈った紅も、君に似合ってるからな。
あげは、綺麗だ。」
くすくすとあげはが
自分の口元を押えながら笑っていて
「それは…、杏寿郎が…
私を想ってこの紅を選んで下さったからに
ありましょうね?杏寿郎?」
「いいのか?そんな事を言って
俺を喜ばせてしまっても…」
「それこそ…、いつもの事にありませんか?
杏寿郎、貴方が私に差した紅を
全て拭って落としてしまうなど…。
流石に、こうも毎度であれば。
私も怒り様も、ありませんから…」
そう言って重ねられた唇に
あげはが自らの唇を押し当てる様にして
彼の唇にその色を移した。
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すいません、
章割りの都合で文字数少ないです。