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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第70章 町行かば 再び



「ん?どうかしたか?あげは…」

「ボート、私が漕いでも?」

「漕ぎたかったのか?
こう言う事は男のする事なんじゃないのか?」

「えっ…と、そう、
たっ、鍛錬になりそうだと思ったので…」

「鍛錬にするには、
少々物足りないぞ?これでは。
そうだな、鍛錬にするのなら…。
これ位は漕がないとな!」

そう言って杏寿郎が
鍛錬になる位の速度に漕いだボートは
物凄い勢いで池を移動していたのは言うまでも無く

「杏寿郎…っ、もう少し…、
ゆっくり…お願い致します。
池の鯉も、白鳥も鴨も驚いて逃げてしまいます…」

「ははは、それも…、そうだな。
俺とした事が、ついつい漕ぐのが楽しくなって
はしゃいでしまって居た様だ」

あげはの言葉に杏寿郎が
ゆっくりとした速度で
ボートを漕いでくれる様になり
池の中央で一度漕がずにボートを止めて貰うと

「折角ですし、池の鯉に餌をやりませんか?」

「ああ、すっかり漕ぐの
に夢中になってしまっていて。
餌の事をすっかり忘れていたな」

あげはが杏寿郎に手を出す様に促すと
その手の平の上に紙袋の餌を少量移すと
同じ様に自分の手にも餌を移して

ゆったりと池の中を泳いでいる
大きく育った丸々とした鯉に餌をやる

鯉が餌を食べるのを
あげはが嬉しそうに眺めていて

そっと そのあげはの隣に移動すると
ぴったりとお互いの身体をボートの上で寄せ合う

「…俺の分も、やるか?」

「杏寿郎も鯉に餌を、おやりになっては如何ですか?」

俺が自分で餌を鯉にやらずに
あげはの横顔ばかりを見ているのに
気が付いていた様でそう言われてしまって

しぶしぶながらに餌を自分の手から
ボートの下に居る鯉にやると
水面をバシャバシャと
鳴らしながら鯉が餌に集まって来て

「はははは、これは中々に迫力があるな。
ここまでの体格に育とうと思えば、
これ位は食べないとな…」

それから30分のボートでの池の散歩を楽しんで
ボート乗り場に戻って来る


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