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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第70章 町行かば 再び



山の方に残っていた 1枚の反物が気になって

それを見せて欲しいと申し出ると

「ああ、これか?…扇の形の柄のだな」

どの反物も色打掛に合う 地色が黒色ではあるが

黒の地色が多い中に 扇の形の窓の様に

柄が綺麗に切り取られていて

その扇の形に切り取られた窓の中に

松 竹 梅… 鶴に 毬… 牡丹…と

その窓毎に小さな柄が収められていて

その窓が 移り変わり行く四季に合わせて

その中の情景を 変えて行く様な 

そんな一枚だった


その中の一つの窓に蝶の柄を見つけて


「この扇窓には、蝶が居りますね…」

「こっちの窓の中には、鳳凰も居るな」


杏寿郎の目には ある扇窓に鳳凰の姿が見えて

そうまま 指先でスッと…窓の中の一つを撫でると


あげはがその杏寿郎が
指でなぞった窓の中の柄に目を向けた


その扇窓の中には 桔梗の柄が収められていて


「杏寿郎…、こちらに決めさせて頂いても?」

「いいのか?あげは、反物は他にも…」

「いえ、この柄が気に入ったので、これがいいです」


「なら…、これにするか」

「ええ、仕上がりが楽しみにありますね。杏寿郎」


呉服屋を後にして
そのまま杏寿郎に手を引かれて
賑やかな通りを歩く


「そう言えば、前にここに来た時に
アイスクリンを食べたか」

前に一緒に町に来た時にあった
アイスクリンの店を杏寿郎が見つけて

「しかし、杏寿郎…。この後に
お昼をどこかで食べるのであれば…。
今は甘い物はお控えになって、後からでも」

「俺にいい考えがある、俺は
アイスクリンを2つ3つ食べても
昼に差し支える事は無いが、
君がそれを気にするのなら。
2人でひとつのを食べれば良いだろう?」

杏寿郎がそう言うと あげはの返事を待たずに
アイスクリンを買いに行ってしまって

2段になったアイスクリンを1つ持って戻って来る


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