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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第70章 町行かば 再び


「彼の為にも、死ねません。
私も貴方もにあります。
生きても辛く、塞ぐ事も多くありましょう。
素直に生きて、喜べる日々は許されませんが。
それでも、…貴方には感謝しか…できません…。
そんな、…私を、
選んで望んで下さったのですから。貴方は」

「言っただろう?あげは。
…この先も共に在ろうと。
生きる事が何も、幸せばかりでは無いとしても。
俺は、あげは…、君と共に在りたい。
それは、今も、…この先も…
未来永劫変わる事は無いからな!
離せも、捨てろも
聞き入れるつもりは無いぞ?あげは。
俺は、君を離せないからな!」

そのまま 杏寿郎の腕の中に収まって
その腕にしっかりと抱きしめられる


「杏寿郎…」

「ん?どうかしたか?あげは」


ギュッと杏寿郎の着物の胸元を
あげはが握りしめると

その身を杏寿郎にもたれ掛って預ける


「杏寿郎…、貴方を…、愛しております」

「あげは…、俺からの
愛なんて聞くまでもないだろうが…」

「そんな事は…、ございませんよ?
杏寿郎の口から、お聞きしたくありますので」




「あげは…、…愛してる」



スッと杏寿郎が
馬車の窓のカーテンに手を伸ばすと
ジャッと音を立ててカーテンを引いて閉じて

馬車の中に影が落ちて

明るい時間なのに ここだけが薄暗い空間になる


「あげは…」


そう熱が込もった声で杏寿郎に呼ばれて

指の腹で唇をなぞられて行く


「杏寿郎…」


そのまま どちらからでも無くに

お互いの唇を寄せ合って口付けを交わす


「んっ…、んんっ、ふ…、んぅ…、ん…」

「……ん、…ふ、……ハァ…、あげは…」


屋敷を出る時に乗せていた紅なんて

もう とっくの昔に
取れて落ちて残ってなんて居なくて

紅の下に普段は隠されている

あげはの本来の唇の色になってしまっている



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