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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第70章 町行かば 再び


あげはが自分の折れた肋骨の辺りを
自分の手でスリスリと擦ると

「ええ。今の状態なら、
通常の負荷を肋骨に掛けても大丈夫そうです」

「あげは。君は、彼が何故、
こっちの骨折が治るまでの猶予を
俺達に与えたと考えている?
俺は刀鍛冶の里で、彼と言葉を交わした時に。
少なからず多からずに彼は、
曲がりなりにも剣士としての
誇りを持っているんだと思ったんだが…。
彼の事を知って、考える中で
そうでは無いなと思う様になった」

「彼は…目的と手段…、その為の労力と下準備。
時間を惜しまない人の様に感じますが?
その彼の思い描いた筋書きを、筋書き通りに
行かせる訳には参りませんので」

「何とも頼もしい限りだな?だが、俺も一緒だ」

「ええ。杏寿郎、頼りにしておりますよ?
私ひとりには、荷が重すぎますので。
貴方が隣に居て下さるから、
私は前に進めるのですから」

「……っ!…あげは、そう…か、
そう、言ってくれるんだな。
ああ、俺を頼りにして欲しい。
何があっても、勝とう。あげは。
そして、その先に、一緒に行こう。
平穏とは程遠い道のりになるかも知れないが、
それでも来てくれるか?俺と。
俺と共に…生きて欲しい」

「はい、杏寿郎。死んでる場合ではありませんので。
生きなければならない理由を、
杏寿郎が私に増やしたのにありますよ?
おちおち、死ぬことなんて許せれませんよ。
私にも、それは勿論、杏寿郎…、貴方にも。杏寿郎…」

あげはが杏寿郎の頬に手を伸ばして来て
その手で頬に触れて来る


「……あげは?」

「杏寿郎、生きて下さい。私と共に…。
天寿を全うするその時まで、ずっと…。
貴方と、共に剣を振り歩みたくあります」

ふふふふとあげはが笑うと
杏寿郎の顔をじっと見つめて来て


「私が、貴方を死なせませんから…。
例え…この先に、何があったとしても必ず。
貴方が死ぬことを私は許しは…しません」



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