第69章 嵐、再来
「しっ、師範は…その、今の…私にした
お話を、杏寿郎にしたので…ありますか?」
「何だ?あげは。だとしたらどうなんだ?
杏寿郎にその胸を揉ませて置いて。
そんな事を恥ずかしがらなくても良いだろう?
生娘でもあるまいに、カマトトぶるな。
男は口では初心な女がいいと言ったとしても、
厭らしい助平な女も好きなもんだぞ?」
ニタニタと嫌味のある様な
含みのある笑みを師範が浮かべていて
「ううっ、す、助平な…女にありますかッ。
しっ、師範はっ、
そちらに振り過ぎにあられますっ。
普段の会話が、常に卑猥なんですっ」
「なら、お前の
杏寿郎に聞いてみればいいだろう?
助平で厭らしい女は好きなのかとでもな」
そう師範が言って はははと笑うから
揶揄われてるんだろうけど それ以外にないけど
「言いませんしっ、聞きませんからっ。もう
私を揶揄って遊ぶのは
その辺りにして下さいっ、師範ッ。
師範は、おふざけがお過ぎにあられます」
「そうか?仕方がないだろう?あげは。
お前のその反応が可愛らしいからな、
揶揄って苛めてやりたくもなる。
それとも、あれか?杏寿郎にもそうされてるのか?」
師範のその言葉に図星だと言いたげに
あげはが顔を真っ赤に染めてしまうから
意地悪してしまいたくなる
気持ちも分からなくないかと
そんな事を考えてしまっていて
「杏寿郎に、意地悪などっ、そんなの、
さっ、されておりませんのでッ」
ああ されてるんだなと
その涙目になって居る顔を見れば
丸解りでしかないし どうにもこうにも
自然と無意識の内にして
男の劣情を刺激して煽る様な
この弟子は そっちの方向にも
有り余る才能があるんだがな
本人は全くの無自覚の煽りでしか無いが