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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第69章 嵐、再来



「貴方が、あげはの師範なのならば、
俺から貴方に聞きたい事がある!」

カァンッ カンッと木刀で打ち合いをしながら
杏寿郎が声を張り上げる

『お前は槇寿郎の倅にしては、お喋りよのう。
槇寿郎はそこまで、お喋りではなかったぞ?
だが、見込みはあるか。槇寿郎の倅だけはあるな。
まぁ、私を愉しませるには、まだ足りないが。
小僧。まだ私と剣を交えながら、話せる余裕があるのか。
なら、その余裕がいつまで続くか見定めるとしよう』

激しい打ち合いの中で紡がれている
言葉とは思えない程に 冷静で落ち着いた口調で
全くの呼吸の乱れも その動きに見合わない程で

「それは、貴方が俺があげはに相応しいかを
見定めているのか?それとも…俺に、
あの三上透真とやり合うに相応しい
技量があるかどうかを、
貴方は見定めようとしているのか?」


僅かだった ほんの僅か

全く隙のない その水の流れが変わった


この人にとっても 彼は


三上透真は特別な存在なのだろう


俺にとって甘露寺がそんな存在である様にして


この人にとっては 才能に溢れる


三上透真の成長は楽しみで仕方が無かったはずだからな


だが 今しかない


今だ 仕掛けるなら今が好機


杏寿郎がザリッと 足を開いて構えを取ると


「炎の呼吸 壱ノ型 不知火ッ」


ビュオンッ…

軽い 

横薙ぎに薙ぎ払いながら放った

杏寿郎の一閃に手応えはなかった


「居ない、消えたの…か?」


それどころか 消えた どこへ


『どこを見てるんだ?お前の目は節穴か?』

「むっ、上かっ!?」



声が聞こえるのははるか上空だ

あの一瞬であの高さまで行けるのか?


あげはの戦い方に似てるが

高さは 師範だけあって 各段に上だ



ザァアアアアッ


水流が渦を成しながら集まるのが見えて



『水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き・天竜』





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