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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第9章 療養編 煉獄家にて


「父上、その様な呼ばれ方をなさっては、
失礼に当たりますよ…」
「何が、目的だ?…杏寿郎の看病だけの
為ではないだろう?」

槇寿郎の言葉にあげはが ああとうなづいた
「それが聞きたくて、
お付き合い頂いた訳ですね?」
あげはの提案を 素直に飲んだのは
あげはにそれを答えさせる為
だったって事なのか

「私は、槇寿郎様を、鬼殺隊に
引き戻すつもりは全くありません。
まして柱に戻れとも、そんな事は
若い子に任せておけばいいんです」

「だったら、何をしたいんだ?
何をしに来た?」
「知りたいですか?」
「お前に何の利がある?」

質問に質問で返される 
鬼殺隊に戻れと言いに来たので
ないとするのなら
コイツに何の得があると言うのか?

「貴方に、貴方にしかできない、他の誰にも
代わることが出来ない役目を…
果たしてもらう為です」

俺にしか出来ない
他の誰にも代わることの出来ない
役目…?だと…?
鬼殺隊も 柱も 他の誰かでいいと言っていた
だったら 他の誰かでは出来ない役目とは…

「お辛いのも、…お苦しいのも…わかります。
共感や、お察しする事はできますが、
共有はできません…それは貴方だけの…
特別な感情だから…」

心の中まで 真っ直ぐに刺すような
あげはの視線
その言葉には嘘も偽りもないとその目が
言っていた
この視線を… この眼差しと似た
眼差しを持つ人に 影が重なる

まるで あげはの紡ぐ言葉が
その人の言葉の様に響いた

「それでも、お二人の…、
彼等の父は貴方だけなのです!
他の事はどうでもいいです、でも…それは
貴方にしかできない事。親として、
人の子の親の果たすべき
使命を…果たされるべきです!!」

今まで…俺にそれを暗に示す者はいた
少し睨んだら 居なくなったが
だが こんな風に真正面から
ぶつかって来るやつは いなかった
実の子供すら 
俺に遠慮してそれを言わなかった

「そんな事、お前が俺に言って
なんの利がある?お前には
関係のない事だ…、出て行け!!」

「出て行きません!」

「出て行け!出て行かないのなら…
力づくでも追い出すぞ!!」
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