第69章 嵐、再来
水を操る様には
人は操れはしないだろうな
そこまで 人間と言う物は
単純な構造はして居ないだろうからな
「彼が人を操るのを見た訳ではありませんから。
一概にはどうとも、言い難くあります。
ですが、杏寿郎の仰る通りにあの血鬼術は、
脳に寄生する事が出来れば、
寄生してる宿主を支配も出来るかも知れません」
「なら、その術はなぜ、
脳まで行かずに耳に術は留まった?」
あげはの考えた見解を求めるべくに
そう杏寿郎が問いかけて来て
「恐らくは…にでは、ありますが。
耳から直接脳を目指すのが、
元のあの術の目的だったのかも知れません。
あの時、バラの花束から飛び出した虫を
私が手で払い落したのですが、
虫が顔を目指していたので
咄嗟に手で自分の鼻と口を覆ったのですが…」
「あの寄生する血鬼術が、羽虫の姿を取って。
羽虫として、飛行して居られる時間は
案外、思うよりも短いのかも知れないな。元々の
目的は耳で無くて鼻の方だったと言う事か?」
花を見ると 女性は特に
その花の匂いを嗅ぎたくなるだろうからな
自然と鼻を花に近づける状況が生まれやすくなる
そうだとすれば 彼が花束の中に
その術を仕込んでいたのも
理には適っては…居るな
「鼻も確かに、途中から登れば脳は近いですが
あ、もしや…、耳と同様に鼻を塞げば。
彼の血鬼術によって我々が
操られる可能性はなくなりませんか?杏寿郎」
「胡蝶には噴霧式の口や鼻から吸える
血鬼止めを用意して貰っているが。
吸わせるために対象に近寄る必要があるしな」
ピシッとあげはが指を立てて
「でも、神経からだとしても血管からでも
私が炭治郎君達に教えてた方法の精度を上げれば。
どちらからでも支配を防げるかも知れません。
止血をするのと同じ原理で、
その侵入を防げさえ
出来ればいいのです、呼吸で。
そうと決まれば、私の方から
しのぶちゃんに手紙を書きますので。
しのぶちゃんから、あの3人に
これを出来る様に指導をして貰わなければ」