第68章 酔って酔われて飲まれる夜に… ※R-18
そのまま 脱力してしまって
身体を繋いだままで
ズルズルと畳の上に
折り重なったままで崩れてしまっていた
「あげは…ッ」
自分の首元で杏寿郎が
項に掛かる髪を顔を使って掻き分けて居て
すうっとその辺りの匂いを嗅がれているのを感じる
「んぅ、やっ…、杏寿郎…
お嗅ぎになられるのは…やめ…、て」
「ん?嗅ぐのはダメなのか?
そうか…それは残念だな」
残念だと言いながら
全然残念そうでない口調を聞いて
しまったと思った時には既に時は遅くて
ちゅう…と項に吸い付かれて
項に赤い印を残されてしまっていた
ちゅうっと更に同じ場所に再度強く吸い付かれて
印の上から吸われてしまっていて
赤い赤い跡を残される
「余り裸のままで横になって居たら、
身体中に畳の跡が付きそうだな」
ここで休むと言いと言われて
杏寿郎が着ていた着流しの上に
私が横になって休んでいたので
あげはが慌てて身体を起こすと
「杏寿郎はここで、お休みになっていて頂ければ。
私は、お膳を台所に運んで洗って参りますので」
そう杏寿郎に伝えて
食べたままで放置していた夕食の膳を
片付ける為に来ていた着物を適当に着直して
何か言いたそうな杏寿郎を置いて
そのまま膳を持って台所へと向かった
他のはいいが茶わんの米粒は
乾燥して張り付いてるから
しばらくの間水に浸けた方が良さそうだ
茶わんを水に浸けている間に
他の皿を洗っていると
「あげは、
もう少しゆっくりしてもいいだろう?
君は少しつれないんじゃないのか?」
台所の入口にもたれ掛りながら
もっとゆっくりしたかったと
こちらに言いたげな顔をして
杏寿郎が私に向かって言って来て
「洗い物をするだけにありますので、杏寿郎。
これが済みましたら、お茶をお持ちしますから」
「いや、水でいい」