第67章 春日の決意とカナエの配慮
あげはには工藤に任せすぎるなと言われるし
工藤には工藤で何をしましょうかと言われるし
俺はどうすればいいんだ?
「なら、工藤、お前は。
俺があげはと次の満月まで
屋敷で寛げるように、適当にしてくれ」
「はい、確かに賜りました」
と言って 工藤に適当にしてくれと
ある意味好きにして言いと言う指示をした意味を
後々 杏寿郎は思い知る事になるのだが
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時を同じくして 蝶屋敷
俺達が あげはさんの結納が済んで
しのぶさん達と同じ馬車で 蝶屋敷に着くと
あげはさんの元婚約者の鬼と戦う為に
カナヲちゃんの方から
俺達と稽古を一緒にしたいからと申し出があって
蝶屋敷の中庭で 4人でさ
炭治郎と伊之助とカナヲちゃんと稽古をしていたら
しのぶさんが俺の事を呼びに来てさ
俺だけ 別室に連れていかれたんだけども
「すいません、善逸君。
折角皆さんで稽古をされている所に
お呼びしてしまいまして。申し訳ありません」
「いやぁ、しのぶさん。
それはいいんですけど、
その、俺にお話って何なんですか?」
「宇髄さんには先に、結納の時に
私の方からこの事につきましては、
お伝えはしたのですが」
「あぁ、えっとぉ。それってもしかして。
俺が、前に宇髄さんに言われてた課題の事?
あれだったら、
ちゃんと形になるくらいになってるよ?」
そのサボり癖のある善逸らしからぬ返事に
しのぶが驚きを隠せない様で
まぁと口元を押えていて
「あら、まぁ、そうだったんですね。
それを聞いて安心しました。感心です。
流石善逸君ですね、頼りになりますね。
そこで~、そんな素敵で頼りになる善逸君に
私から、もう一つ頼みたい事があるのですが。
出来る、善逸君なら、もう何とかしてくれるて
私、信じてますから」
しのぶが善逸の顔を下から
上目遣いをして見上げて来ると
善逸の両手を握りしめて
うるうるとその瞳を潤ませる