第67章 春日の決意とカナエの配慮
「はいっ、もう何でも言ってくださいッ!
俺ッ、やる気が出て来ちゃってる
もう、漲っちゃってるから!」
しのぶにある事をお願いされてしまって
「そっそれって、まぁ、確かに俺にしか
出来ないかも知れないけど、その宇髄さんは
そんな事して大丈夫なんですかね?」
「大丈夫、大丈夫、
宇髄さんだから出来るんですよ~。
ですから、私も善逸君に宇髄さんと
同じ事をしろなんて言いませんよ。
善逸君はあげはさんに
守って貰えればいいんです。
私も私でそれに関しては、
対応する手段を検討中ですから。
それまでの間は、カナヲにでも
稽古を付けて貰って下さい。
カナヲはカナヲで、気にしてるので」
カタンと座っていた椅子から
しのぶが立ち上がると
窓の方へ近づいて
その向こうに見える 炭治郎と伊之助と
稽古をしているカナヲの姿を見つめる
「カナヲはカナヲで、思う所がある様なので。
あげはさんは、カナヲをあの戦に
巻き込まないとお決めになられたので。
カナヲは頭のいい子ですから、あげはさんの
意図も読み取ってくれて居ますし」
「しのぶさん」
「はい?どうかしましたか?善逸君」
善逸がしのぶの名前を読んで
しのぶが小首を傾げる
「その、カナヲちゃんの事なんだけどさ…。
カナヲちゃんの事は炭治郎がさ、
何とかしてくれるんじゃないかなって
俺はそう思うんだけど?」
「ええ、だから、お引き受けしたんです。
煉獄さんにお願いしたのは私です。
名目上は、煉獄さんとあげはさんの
お時間をお二人で過ごして
貰いたいのもありますが。
今の、この時期に、
カナヲの事をどうにかできるのは
炭治郎君だけだと思うので。
カナヲを今のカナヲにしたのは、炭治郎君ですから」
「確かに、そうかもね。
カナヲちゃんの音も
無機質な小さな音じゃ無くなってるし。
俺、あげはさんの今の音も好きだし。
カナヲちゃんの今の音も好きかも」
「善逸君は、お優しいのですね。
流石はあの炭治郎君のお友達な事はありますね」