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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第67章 春日の決意とカナエの配慮




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その頃の炎屋敷


呉服屋に宛てた手紙を杏寿郎が書き終えて

その手に持っていた筆をコトリと置いた




「よし、これでいい!
後はこの手紙をを要に
呉服屋まで届けて貰えばいい。
あげはには、ああ言ったんだからな。
振袖を買うのは、早い方が良いだろう。
どうせだったら、一緒に出向いて
反物から選んで仕立てたいからな。
あの店なら、突然言ってもそれなりの
品はあるだろうが、いきなり伺うよりは
心募りがある方があちらもいいだろうしな」


杏寿郎が馴染みにしている呉服屋に向けて
書いた手紙の内容を確認すると

要を呼び寄せて



開け放っていた窓の縁に要が降りて来て

要の濡れ羽色の黒い羽毛を
杏寿郎が指の背で撫でた

その手触りを確かめる様にして
更にその身体を撫でる


「いつも、世話になるな、要。
この手紙をある場所に君に
届けてもらいたいのだが。
頼めるだろうか?要」


カァーと要がその場で鳴くと
バサバサと羽音が聞こえて
真っ白の鳩の様に見える鴉が一羽

何処からか飛んで来て

要の隣に止まる


「ああ、そうか。要はあげはの環と
仲良くなったんだな。まぁ、
ずっと俺とあげはが一緒に居るんだから
お前達が仲良くなるのもそれは当然か。
なぁ、環、君の身体を
撫でても良いだろうか?」


杏寿郎の言葉の意味を理解している様で

杏寿郎から撫でやすい様に
環が身体を差し出して来て

要にした様にして
環のその真っ白の身体を撫でる
白いからと言ってふわふわでは無いんだな


『カァー、呉服屋、手紙届ケテクル…ッ』

「ああ、頼んだぞ。要」

要が杏寿郎が託した手紙を
呉服屋まで届けに向かったが

環はその窓の桟で止まったままで

こちらに向かって首を傾げている

バサッと 室内に飛んで来て

環が杏寿郎の文机の上を
ちょんちょんと歩いて移動すると

杏寿郎が 置いていた筆をその嘴に咥えて


杏寿郎の方へ差し出して来る



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