第67章 春日の決意とカナエの配慮
ふふふふふっと春日が笑って
「え、あ、あの…、春日さん?」
「で、どうでしたか?あげは様。
場所が違えば、その、存分に
お二人でお楽しみに…、なられたり?とかって」
間に頬を押えて キャーキャーと言いながらも
聞きたい事はちゃっかり聞いて来る感じは
流石の春日さんだなと感心もしてしまいつつ
「ああっ、でもっ、炎柱様は
あのお見た目の通りに、
情熱的であられましょうから。
床でも、さぞかし、情熱的にあられますよね?
春日は、信じて疑っておりませんので!
ああっ、あの時に、ちらっとしか…ッ」
そうだった 炎屋敷に来た日に
思い切りその時の声を聞かれて居たんだった
「す、すいません…、痴態を晒しておりまして。
お耳苦しい事にありました」
「でも、冗談では無くて。今の様に
お二人でお過ごしになられます時間も、
お子様を授かってしまうまでだけにありますから」
杏寿郎の子を身籠ってしまえば
仕事も今までと同じ様には行かないだろうし
その夫婦の営みの方も
今までと同じ様に…とは到底出来ないので
春日さんの言う事も 一理はあるのにはある
「ええ、私も、冗談ではなくて。
同じ様に感じておりますので。杏寿郎さんの
子供を身籠って、産み育てたいと
思ってもおりますが。杏寿郎さんと恋人である
今の時間を惜しみたい気持ちもありますから」
ガシッと春日に両手をしっかりと
握りしめられてしまって
「分かりますッ!夫婦の2人だけの間の
時間とも違う、時間が、
恋人同士の時間にもございますので!!
あげは様の仰られる通りです。
で、ありますので。明日は炎柱様と、
逢引を楽しんでいらして下さいませ」
そう一旦春日が言葉を区切ると
そのまま春日が言葉を続けて来て
「あ…、あの~、前にお屋敷に来られた時に
あげは様がご自身のご支度は…ご自身でと
あの時に仰られておりましたが。その、
ご迷惑でないのでありましたら。明日の朝の
あげは様のご支度のお手伝いを…
この春日にさせて頂きたくあります」