第66章 秘めないヒメゴト ※R-18
「なら、俺に、乱されてくれるか?
あげは、君を。乱してしまいたい。
先ほどよりも、もっと俺の手で
淫らに乱れる君が見たいがな?」
その指があげはの唇を撫でて
指の腹で唇を押されて圧を掛けられると
彼に触れられた唇が
ピリピリと感電した様に痺れる
そんな顔で杏寿郎に
そんな事を言われてしまっては
私には抗う術もないと言うのに
ゾクゾクとその声が耳から鼓膜を通って
脳に伝わるその道すらが
甘い痺れに満たされて行く
抗う事はおろか
彼の手で 淫らに乱されたいと…
そんな風にすら思ってしまうから
抗い様もない…のに?
「んっ、はぁ、…乱して?…下さい…ッ、
杏寿郎…で、私を…もっと、んふ、あぁんッ」
ほんの少し 彼に身体を撫でられるだけで
自分の身体が敏感過ぎるまでに
その刺激につぶさに反応して
はしたなく喘いでしまっていて
淫ら…になって行く自分を
見せつけられている様にも感じる
襦袢の合わせに彼の手がスッと
入って来て その手を戻すと
「…?杏寿郎…?どうか、なさいましたか?」
「いや、つい君に夢中になり過ぎていて。
自分が脱ぐのを忘れてしまって居た様だ」
自分の着物を脱ぐのを
忘れていたと杏寿郎が言うと
自分の着ている着物の帯に
杏寿郎が手を掛けようとするのを
あげはがその手に自分の手を重ねて
それを止めさせると
「ん?あげは…?どうかしたのか?」
「あのッ、そうでありましたら、杏寿郎。
私が…貴方に、そうさせて頂いても?」
「脱がせて…くれるのか?君が」
私からのその申し出に
彼が首を縦に振ってくれて
杏寿郎がそうしている私の様子を
ジッと見つめていて
全身に彼の
刺さる様な視線を感じるから分かる
彼に見られながら
シュル…と 杏寿郎の帯を解くと
その帯を 畳の上に落として
杏寿郎の着物を畳の上に脱がして落とすと
それをきちんと畳もうとしたのを
ギュッと彼に手首を掴まれて止められる