第66章 秘めないヒメゴト ※R-18
自分の中で期待と
ほんの少し 恐怖にも似た別の感情が混じり
思わず 口からその感情を逃がすようにして
あげはがふぅっと息を吐いた
「あげは、俺に…今は、
集中して貰えるとありがたいのだが?」
私の中にそんなあれこれがあったのに
彼も気が付いていた様で
そうこちらに対して言って来る
「杏寿郎…、あの、そのまま
…来て頂いても…、大丈夫…かと」
もう身体は先ほどので
十分に解れてるのだから
このまま彼を受け入れる事には
なんの苦痛も伴わないだろう
あるのが 苦痛でないのなら…
その逆でしかない
どうしようもなく 乱れてしまう
そんな自信しかないから
恐ろしいと感じてしまって居るのだろう
「あげは、それは俺からすれば
願っても無い申し出ではあるが。
だが少しばかり、あの時の
君の身体の熱も収まって来てるだろう?」
この部屋まで移動して来る間に
少しばかり杏寿郎の言う通りに
馬車の中でのヒメゴトめいた事を
していた時よりも
今は
そう言った気分が落ち着いて来ては居たので
杏寿郎の問いに あげはが首を縦に振った
「確かに…、杏寿郎の
お言葉の通りにありますが…ッ
それは、私だけではなくて…」
「俺もそうだとでも、言いたげだな?
あげは。流石の俺も馬車の中じゃ、
落ち着いて君を堪能しきれないからな。
ここなら、幾ら君が乱れても俺しか居ないぞ?
ふたりだけだ…、そうだろう?」
好きなだけ 乱れてもいいと
そんな風に言われてしまいつつも
その手は襦袢の上から
弄る様にして身体を撫でながら
襦袢の紐もシュルシュルと
解いて行くから
「んんっ、…はぁ、杏寿郎…ッ、
私が乱れるのではなくて…んぁあん、
杏寿郎が、ふ、はぁ、あん、
私を…、乱すので…ありませんか?」