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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第66章 秘めないヒメゴト ※R-18



馬車が炎屋敷に到着して

馬車から杏寿郎の手を借りて降りると


その手がスルッと離れて

不意に空いてしまった
今の身体一つ分の距離が
凄く遠くに感じてしまって

それを寂しいと思ってしまってるから

隣にいるのに…と思いつつに


「どうしたんだ?あげは。
屋敷に入らないのか?」


そうだ お屋敷

中で続きをと杏寿郎に言われてたんだから

ここにいつまで突っ立っていても仕方ない


「…ん!?…あ…れ?」


あげはは違和感を憶えた


静か…なのだ


玄関には屋敷の者の出迎えは無くて

出迎えが無いだけじゃない


もしかして…と


あげはが不思議に思って屋敷の中に

自分の意識を向けて

人の気配を探すも 


屋敷の中は既にもぬけの殻で

杏寿郎が人払いを先にしている様だった


「あ、あのっ…杏寿郎…、その…」

「ああ、気が付いたか?あげは。
屋敷の人は払ってあるが?」

「しかしっ、杏寿郎。
この後は、春日さんと…
カナエちゃんの振袖を預けに行くと」


杏寿郎が私に言って居たのだ
春日さんと一緒に
この振袖を引き振袖に仕立ててくれる
仕立て屋に向かう様にと


「ああ。そうだな。その事なら
あっちでも話したと思うが。
春日にはちゃんと話はつけてある。
だが、その前に…、そのままでは落ち着いて
出掛けられないんじゃないのか?あげは」


そう私に問いかけて来る
杏寿郎の声に熱が混じって居る
身体の中で熱を持て余してるのは
杏寿郎だけでなくて私も同じ事なのだから

玄関に入ると杏寿郎が
屋敷の玄関にガチャンと鍵を落としてしまって

その音に どきっとしてしまった

邪魔が入らない様になのか
それとも ここから出られない様になのかとか
そんな事を考えてしまって


「…杏寿郎…ッ、その…」


今から彼に抱かれるのだと思うと
何度も抱かれて置きながらに
何故か酷く緊張してしまって

炎屋敷に初めて来た日の事を思い出す






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