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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第65章 密室のヒメゴト ※R-15



「あの、杏寿郎。
…その、今日のお礼をですね。
私としては、ですね。
貴方にお伝えをしたく、…ありますのですが?」

「お礼なら、あの場で君の口から
言って貰ったように俺は記憶しているんだが?
まだ、あの時のあれだけでは
君は俺に、礼が言い足りないとでも?」

きゅっとあげはが
杏寿郎の着物の袖を掴んで来て
ふるふると小さく首を左右に振った

「あっ、あれでは…
その、到底…貴方への感謝への気持ちを
伝え切れておりませんので…ッ、今日の事は
私に負担にならない様にと、私には内密にして
全て工藤さんと、杏寿郎と、しのぶちゃんと
後、蜜璃ちゃんとも、早い段階で相談して
考えて下さっていた事なのでありましょう?
杏寿郎がああ、言って下さらなければ。
私は、カナエちゃんの振袖を
着る気にもなれずままに居たでしょうから」


工藤さんからも杏寿郎の行動についての
話はあの時に聞いて居たし
杏寿郎が手紙を方々に書いている姿は
私が炎屋敷に入ってからしばしばに見ていた

炎屋敷でしのぶちゃんの
鎹鴉の艶の姿も良く見ていたから
炭治郎君達の稽古を付けている合間にも
しのぶちゃんとは
密に連絡を取り合って居たのだろう

「まだ俺に、礼が言い足りないとでも
言いたそうだな?あげは」

杏寿郎の指摘して来た通りに
言葉を幾ら並べても

その時間と労力とお金には
何度礼を言葉にして感謝しても
支払いとしては足りないと言うのは
釣り合わないと
あげは自身も感じて居るから

「大凡に、お礼の言葉を幾ら並べても
言い尽くせませんよ?
それぐらい…貴方には
感謝をする事ばかりにあります、杏寿郎」

スルッと杏寿郎の手の平が
あげはの頬を撫でて来て

「なら…、いいのか?あげは。
君にそんな事を言われてしまっては。
俺は欲張りになるしか、
どうにもなさそうなんだがな?」

その彼の双眸に見つめられてしまう
こちらの返事を待たずに
彼が言葉を続けて来て


「あげは。だったら。
その言葉にし切れない分を、
言葉以外の形で…俺に君から
与えては貰えないだろうか?」




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