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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第64章 結納編 午後



そう 想いも寄らない様な言葉を
槇寿郎がこちらに伝えて来るから
一種の感動の様な物をあげはが感じて居て


「槇寿郎…様…ッ」


「あげは。お前の機転に、
寧ろこっちが感謝する位だ。
あのご婦人は、俺の目から見てもに
人情味が溢れすぎて人が良すぎる様だからな」


そうこちらに視線を向けていたのに
途中で恥ずかしくなったのか
反らされてしまいながらも

槇寿郎にお礼を言ったのに
逆にお礼を言われてしまう


「…し、槇寿郎…様。
でも、ご協力して頂いて助かりました。
ありがとうございます、槇寿郎様。
千寿郎君にも、お礼を言いたくありますから。
ありがとう、千寿郎君。
突然驚かせてちゃって、ごめんね?」

ぴょこっと千寿郎も馬車の窓から
その顔をこちらへと覗かせて来て

「いえ、お気になさらず。姉上。
僕も、楽しかったですから。
ワクワクしてしまいました」


「杏寿郎、全てが終わったら報告に来い。
その時にまた、泊まりに来るといい」

「ええ、父上。近いうちに必ず。
俺もそのつもりにしています」


そう言って 別れを告げると
それぞれの馬車が別の方向へ向かって行く

槇寿郎と千寿郎の乗った馬車を
開いた窓から顔を出して見送って

いつまでも千寿郎が窓から
同じ様に身を乗り出して居て
こちらへ向かって 大きく手を振って居て


あげはも同じ様にして窓から
お互いが見えなくなるまで手を振って居た


その姿が見えなくなって
乗り出していた身を馬車の中に戻して
ストンと杏寿郎の隣に収まると

腕組みをしたままで
杏寿郎がこちらに冷ややかな視線を向けていて


「え、あ、あの…杏寿郎、さん?」

「あげは。君が、俺の家族と
別れがたいと感じてくれてるのは、
俺としても喜ばしい事ではあるんだがな?」

「もしかして、怒っておられ…たりとか」

「そうだな、まずはお説教になるな」


そう杏寿郎に言われて

杏寿郎に怒られてしまった


多分あっちはあっちで
千寿郎君も槇寿郎様に


同じ様に怒られている様な… そんな気がした









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