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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第64章 結納編 午後



そう大きな声で三好に向かって
あげはが今日の感謝の言葉を伝えると

ガタンと道に馬車が車輪を取られて
片側に大きく傾いたので

バランスを崩しそうになった体を
後ろから杏寿郎が腰を掴んで支えて
強い力で後ろに引き寄せられて

「…っと、大丈夫か?あげは。
そんなに、身体を乗り出すと、
馬車から転げ落ちるぞ?」

そのまま馬車の床の上に
身体を降ろされて 座らされると

杏寿郎がが開いたままになっていた
馬車の戸を閉めて
ガチャリと内側から鍵を落とした

「これで、安全だな。
どうだ、あげは、大事はないか?」

「ええ、ありがとうございます、杏寿郎。
杏寿郎のお陰で、私はこの通りにあります。
ん?あれ?杏寿郎、思ったのでありますが。
この馬車…の進行方向…、もしかして…」

腰を据えて落ち着いた事で
初めて自分が置かれている状況が見えて来て

馬車の窓から見える光景に
あげはが違和感を憶えて

真っすぐに炎屋敷に向かわずに
川沿いの道の車通りに少ない方へと
この馬車が向かっているのだと気付いた

疑問に思いながらも
窓の外の景色に目を凝らして居ると

別の方角の道から
もう一台の馬車が見えて


その馬車の中に
槇寿郎と千寿郎の姿を捉える事が出来た



あげはが杏寿郎の腕の中から
すり抜ける様にして 立ち上がると
ガラガラと馬車の窓を開いて

「先ほどは、すいませんでした、槇寿郎様。
それに千寿郎君も。本来であるならば
お帰りをお見送りせなばなりません所を。
慌ただしくさせてしまいまして。
でも、ああでもしないと
あの三好小母さんにお礼を受け取って
貰えそうになかったので。ありがとうございました」

隣を並走している馬車に向かって
お礼の言葉を述べると

ふんと槇寿郎が座って腕組みをしたままで
視線だけをこちらに向けて来ると

「まぁ、請求金額を聞いてこのままでは
あちらには申し訳ないばかりだったからな。
あげは、お前の提案に乗ったまでだ。
別に構わん。お前から、
そんな風に礼を言われるまでもない」


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