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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第64章 結納編 午後



杏寿郎も元の着物に着替えに戻って
控室で 脱いだ紋付き袴を
たとう紙に包み直すと

「それは、どうするつもりなんだ?杏寿郎。
お前のそっちの屋敷に持ち帰るのか?
それとも、うちで預かればいいのか?」

そう槇寿郎が
杏寿郎の紋付き袴をどうするのかと
杏寿郎に確認を取って来て

槇寿郎のその言葉に
杏寿郎がたとう紙に包まれた
自分の五つ紋の紋付き袴に


視線を落とすと

そっと己の手の平を
その上に重ねる様にして置いた

その表面をスルッと
自分の手の平で
たとう紙の上からその下にある

その存在を確かめる様にして撫でると
静かに神妙な面持ちで話出す


「次に俺がこれに袖を通す時は、
あげはと結婚する時になる。
父上…、お願いしたいのですが。
それまでの間、これを煉獄の家で
保管をして貰いたくあるのですが」


その杏寿郎の言葉に槇寿郎が静かに頷くと


「…そうか。
まぁ、お前がそう言うなら。
自分の分のついでになら、
手入れぐらいはしなくもない。
結婚式までに一度、自分の袴を
洗いに出そうかと思ってたからな。預かろう」

「ありがとうございます、父上」

こちらに向けて手を差し出して来る
槇寿郎の手の上に
杏寿郎がその包みを託すと
槇寿郎がそれを受け取った


「どうせ、俺ではなく望月がするからな。
気にする必要もない」

紋付き袴の手入れと保管は
心配要らないと槇寿郎が言って来て

「はい、父上。ありがとうございます。
ああ、そうだ父上は、携帯用の筆は
今はお持ちで?お借りしても?」

「ああ、あるにはあるが?
これだ、使いたければ使え」

「すいません、お借り致します」

槇寿郎から携帯用の筆を借りると
杏寿郎が手紙を書き始めて
急ぎで伝えたい内容らしく
短い手紙を書き終えると
要を呼び寄せるとその手紙を託した


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