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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第8章 療養編 蝶屋敷にて


いつもは元気に跳ね上がっている
フロント部分の髪が
ぺたんと下へ垂れている

「濡れ髪だと、
…大分印象が…変わるのですね」
「そこまで、手を掛けてもらわずとも問題ない
後は、自分でできるからな!
…君は自分の髪を先に乾かしたらどうだ?
風邪を引いてしまうぞ?」
「はいはい、じゃあ、残念ですけど、
そうさせてもらいますね」




煉獄家ーーー


槇寿郎は千寿郎から受け取った
杏寿郎からの手紙を
まだ読む気になれずにいた

どうせ俺への恨言でも書いてあるのだろう
自分が大怪我をしても見舞いにも来ない
とんでもない父親に
愛想を尽かせたのかもしれない

でも思えば 杏寿郎から手紙をもらうのは
まだ字を覚えたての頃に貰った
手紙以来かもしれない

少し前に…母の 瑠火の命日に
杏寿郎が里帰りをして来たときに俺は

杏寿郎を鬼殺隊から
抜けさせようと考えていた
自分と同じ炎の呼吸を
幾ら磨いて極めたとしても
日の呼吸の後追いでしか無いのだから…
彼がその真実に気がつく前に

炎柱である煉獄家の先祖が
その事実に気づいて
落胆してしまったように

俺もそれを知って 
落胆してしまったのだ

それまでにあった
情熱の全てを失ってしまう程に

鬼との戦いで無駄に命を散らすような
事も…ないと 考えていた















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療養編の蝶屋敷にて お読みいただきまして
ありがとうございました。
ここから先は、煉獄家にてになります。
ここから先は、糖度もさることながら
えっちな感じになりますが、しのぶさんの
言葉通りに、生殺しの日々になります。

お付き合いする事になり、初めて事に至る
までの経過って、その時にしかないから。
至ってしまえば、後は至るだけなので。
あの時のやり取りとか、時間って貴重だなぁと
思う訳です。私だけ……かな?
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