第63章 結納編 昼
「この感じですと、
他の皆さんもですが、甘露寺さんも結構
お召し上がりになられてますし。
こちらの千城には私も、あげはさんと
何度かお邪魔しておりますから、
懐石のすき焼きのコースなら
この人数ですし、お料理も
グレードアップされているなら。
かなりの金額になったのではありませんか?」
そうしのぶが今日のこの食事会の
昼食代について そう言って来て
「いや、胡蝶。確かにそれは
君の言う通りなのだが…。
そのだな、祝い事の席で、
あまりお金の話をどうこうと言うのもな?
些か、こう、どうにも
野暮ったい話になるだろう?」
そうこの話その物を
杏寿郎がうやむやにしようとして来るので
しのぶが眉を顰めるとその表情が一瞬だけ
ほんの一瞬だけ険しい物に変わった
「いいえ。それで私が
納得するとお思いですか?
だからと言って、
はいそうですかとは、そうは行きません。
それで、私の方から
煉獄さんにお話したいのはですね。
結納金が多すぎると言う問題と、
それから、ご用意を頂いておりました、
結納返しの品の総額のですね、
正確な額をお教えいただきたいのですが?
そして、こちらが私が、
包んで持参しておりました
結納返しになりますので、
こちらを煉獄さんにお納めして頂いても?」
そう言ってにっこりとしのぶが微笑んで
袱紗から祝儀袋を取り出して
杏寿郎に向けて差し出して来て
そのしのぶの顔が受け取らないと許さないと
言って居るようにしか見えない
「いや、胡蝶。ひとつ…いいか?
なら、こちらがこれを受け取るのなら、
こちらからの結納金を胡蝶、
君に受け取って貰わなければ、
結納が成立しないだろう?」
杏寿郎の言葉にかなり気が立って居る様子の
しのぶが一旦それを下げると
「でしたら、煉獄さん。
相場で結構にあります。
その金額では、こちらは
あげはさんを、3人、
煉獄さんの所に、
嫁に差し上げる事になりますので」
そう 少し回りくどい言い方で
300万は多すぎると言われてしまって