第63章 結納編 昼
「ちょっと、三好小母さん
こっち、こっち来て」
あげはがちょいちょいと
三好に手招きをして
自分の方へ呼びつけるとあの辺りに
同じ物をもっと用意して
あげて欲しいと依頼した
元々蜜璃と杏寿郎の分で多めに用意をとは
聞いていてくれている様で
追加の先付けを用意して貰った
先付けに続いては お造りの盛り合わせで
それに続いて 牛肉の握りが届いて
蜜璃ちゃんと杏寿郎が凄い勢いで
牛肉の握りをわんこそばの様に
追加で平らげて行くのを見ていて
ある事に気がついた
「(ねぇ、杏寿郎)」
そう小声で杏寿郎に話しかけると
「(どうした?あげは、
君もお代わりするか?)」
私が牛肉の握りをもっと食べたいと
言いたいと思ったのか杏寿郎が尋ねて来て
「(これってもしかして、前に
この店に来た時に、言ってた事だったりとか
しますでしょうか?私の誕生日に、
みんなで一緒に食事をしようって。
炭治郎君達と、蝶屋敷の皆もと
確か、あの時仰っておられましたが…)」
気になったのだ親しい仲ではあるが
結納の食事会に招くような
そんな間柄ではない面々も含まれていたから
「(それもあるが、
そうしたいと言う気持ちがあったのも確かだ。
結納の食事会に招くべき相手じゃないのは、
俺も重々に承知してるが、
だがどうだ?見てみるといい)」
杏寿郎に促されて
あげはが端から端まで食事を楽しんで
談笑をしている皆の姿を見渡すと
「(賑やかな、食事会も
悪くありませんね。杏寿郎)」
杏寿郎はこの時間を皆と共有したいと思って
この場を用意してくれたんだな…と
感じる事が出来て
「すまないが、もっと、
この牛肉の握りを貰って良いだろうか?」
余程気に入ったのか更に追加を依頼していて
「私もッ、私も
お代わりを頂きたいのですがっ!!」
そう蜜璃も手を挙げてアピールをしていて
「じゃあ、俺も、
派手にお代わり要求するぜ?」
それに便乗して宇髄も挙手をして
「なら、俺も、
もっと食べなくもない。頂こう」