第63章 結納編 昼
例え…
何か必要な物があったとしても既に
工藤さんによって用意されてそうな気がするし
お返しして下さいと
しのぶが差し出して来たのは桐の箱で
本来なら祝儀袋に入れる結納金を
この様に桐の箱に納めるのは
200万円以上の高額の結納金の場合なのだから
そうか 私の考えが甘かった
半返しではなくて 1割返しか
とその箱を見て納得してしまって
テーブルの下で桐の箱を
しのぶの手から あげはが受け取ると
「(今お返しして置かないと、
あの煉獄さんの事ですから
これを受け取って貰えそうにないので)」
しのぶの言葉にあげはが頷くと
丁度杏寿郎が挨拶を終えて座って
乾杯の音頭を槇寿郎が取る為に立ち上がり
コホンと一つ咳払いをして
「それでは、両家の
良き日を祝いまして。乾杯!」
それぞれが近くの席の親しき人と乾杯をして
食事会が始まった
「んめぇぇっ!何だこれっ、やべぇな。
オイ、アオコ!これ、食ったか?
うめえぞ!食ってみろよ!!」
「伊之助さん、落ち着いて下さい。
食事は逃げません、
それは私も同じのを頂いてますから」
自分の皿の物を食べて 隣のアオイにも
食べてみろと伊之助が勧めて来て
アオイが伊之助が美味しいと言った料理を
口に運ぶのを
自分が食べるのを止めて伊之助が見守って居て
「どうだ?うめぇか?アオコ」
「え、ええ。美味しい…ですね」
そう少しだけアオイが頬を染めながら
伊之助に返事を返すと
にんまりと伊之助が満面の笑みになって
「オイ、紋次郎、紋逸。
お前等も食え!これ、うめぇぞ!」
「分かった、分かったから伊之助。
ちゃんと俺達も食べてるから
お前も、落ち着いて食べろ。
これ、美味しかったのか?
ほら、伊之助、俺のも食べていいぞ?」
よっぽど伊之助はそれを気に行ったらしくて
炭治郎と善逸にそれを食べる様に勧めていて
伊之助が美味しいと絶賛していた
牛肉の佃煮の小皿を炭治郎が
伊之助の先付けの皿に乗せた