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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第63章 結納編 昼



使いにくさを感じるのも
俺の感じて居る重みも当然だと
あげはが義勇に言って来て

「しかし俺は、あの時も言ったが
この刀を師範は、あげはに
持っていて貰いたいと……思う」

あくまでもこの日輪刀を
義勇はあげはに返したいと言っていて

鉄友さんが義勇の刀を打ってくれる時に
あの日輪刀を使って貰いたいと言う希望を
義勇は聞き入れてくれそうになくて

「でも、私は、彼と一緒にこれからも
義勇には鬼殺を続けて貰いたいの。
水柱として、これから先も。
彼の想いだけでも貴方が一緒に、
任務へ連れて行ってくれないかなって」


彼の後悔の中には そんな想いも

あったんじゃないかって

鬼狩りとして鬼を狩る彼の姿を

同じ呼吸を使う義勇に
自分が重ねたいだけかも知れないけど


そっとあげはが自分の着ている
カナエの振袖を愛おしむ様にして撫でた


「?…、あげは?どうかしたのか?」

「義勇、今日のこの振袖はね。
しのぶちゃんのお姉ちゃんの
カナエちゃんがね、自分の成人式の為にね
元々は仕立てた振袖だったの」


確か 胡蝶の姉は

17歳で亡くなったと聞いている

なら あげはが今 着ているその振袖は


胡蝶の姉が
袖を通す事も叶わなかった物…なのか?


「私はね、カナエちゃんに着て欲しくてね。
この振袖をお棺に入れようってそう提案したの。
カナエちゃんの納棺の時にね?
でも、しのぶちゃんが、その時にね言ったんだ。
この着物に込められたカナエちゃんの
願いや想いまで無かった事にしないで欲しいって。
だからね、義勇。義勇の言ってる事もわかるの。
それが透真さんを貴方が想って、そして
義勇が私の事を考えて言ってくれてるんだって」


義勇の言い分は良く分かる

私があの時にカナエちゃんの棺に
この振袖を一緒に納めたかった
気持ちと似ているから


「でも、あの時のしのぶちゃんの顔を見てたら
そうしたいって言えなかったの、私。
その後も、この振袖はずっとしまい込んだままで
虫干しをするくらいで、
結局自分の成人式にも着れず終い…」


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