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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第8章 療養編 蝶屋敷にて


「しかし、父上は…、
もう何年も床に伏せておりまして」
明らかにあげはが憤りを感じているのに
千寿郎が恐る恐る伝える
「それは、知ってるよ。
もう…8年近くなるし」
「え、あげは様はご存知なのですか?」

「手紙の返事も書けないし、
お目通りも叶わない病状なんでしょ?
5年ほど前からは…
その前までは飛び飛びにでも
任務に赴かれておいでだったし…」

あげはは柱だったんだ
父上の状態を知っていても
なんら不思議はない…

「で、病名は…何なの?
自宅療養で行ける病気なんでしょ?
酸素や、人工呼吸器や
吸引が必要な状態なの?」
「いえ、決して
…その様な事は…ありませんが」

「だったら、病名くらいは…
知ってるんじゃないの?
定期的に受診はされてるの?」
「本人が、必要ないと…」
「5年もそんなのなのに?
…言葉が話にくそうだったりとか
飲み込みにくそうだったりとか、
体の片側が動かしにくいとか
痺れてるとかはあるの?」

「いえ、…その様な感じはありません」
あげはの質問に千寿郎が答えた
うーんとあげはが考えると
「じゃあ、もしかしてと思って
尋ねるんだけど、朝から午前中に調子が
悪そうで、夕方から夜になると
少しーばっかり
楽そうな感じになったりとかは?」
どう?とあげはが千寿郎に尋ねた

あげはの言葉に千寿郎が
思い当たる節があるようで
しばらく何かを思い出している様だった
「はい。あげは様の仰る通り、
…その様に思います」
ポンっと千寿郎の両肩にあげはが手を置いて
杏寿郎の方へ向いて尋ねた
「ねぇ、煉獄君。弟君、
しばらく…借りていい?
心配しないで、ちゃんと返すし!
取って食べたりしないから」

「君は、俺の弟に何をする気なんだ?」
あげはの含みのある言葉に
杏寿郎が怪訝そうな顔をする

「えっと、…君…」
「千寿郎です…」
「千寿郎君。君は、…お時間は大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です」
「ちょっと、弟君としのぶちゃんの
所へ行ってくるね!」
と人の弟を連れ立てって行ってしまった

この傷が落ち着いて
次の任務までの合間に
父上とお話ができればと
考えてはいたのだが…

あげはと彼女と一緒になりたいと
考えているとお伝えしなくてはならない

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