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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第8章 療養編 蝶屋敷にて


「初めまして、私はお兄さんと一緒に
仕事をさせてもらっている仁科 あげはです」
「千寿郎、彼女は俺の命の恩人だ!
彼女があの場に居てくれなければ…
俺は今、ここに居なかっただろうからな!」

「あげは様。この度は兄をお救い下さり、
弟として礼を言いたいです。
ありがとうございました、
感謝し切れない程です」
とあげはに深々と頭を下げてお礼を述べた

まぁ なんて礼儀正しい子なの?
「いいの!いいの!そんな、お礼なんて…。
当然の事をしただけなんだし?」
「で、ですが…貴方のその…、お顔に…」

私が顔に傷を受けたのは
自分の兄が原因なのではないかと
心を傷めている様だった

「これは、…貴方の
お兄さんのせいではなくてね?」
「いや!俺のせいでもある!!」
「あ、兄上!そうだったのですね…」

「彼女の顔に傷を残した原因は、
俺にも一端がある!
あの鬼を焚き付けた様な物だからな!!」
「焚き付けったって…」

私があの場に合流する前に
彼とあの猗窩座とか言う鬼がしてた会話
一体どんな話をしてたのやら?

「なんとお詫びを申し上げれば…いいのか」

心優しいこの少年は
私の顔に傷ができた事を
こんなにも気に病んでくれているのか

「大丈夫!お化粧したら、
これくらいどうって事ないよ」
そう言ってにっこりとあげはが笑って見せた

ああ 何て美しくて
心のお優しい方なんだろうと
千寿郎は感じていた
兄上の命を死の淵から
救って下さっただけでなく
自身の顔に傷まで負って
そしてそれを 
何もお咎めにならないだなんて…

千寿郎の表情が曇る
「その、兄上…。報せを受けて…
父上にもお声をお掛けしたのですが…」
と申し訳なさそうに言った
「父上は、来てくださらなかったのだな?
まぁ、その内、近く、家には
帰るつもりだったからな!
父上にはお伝えしたい事もあるしな!」

来てもらえなくても
問題はないと言いたげに杏寿郎が言った

「…それ、どうゆう事?」
あげはのさっきまでの口調とは違って
聞いた事もない様な低い声色に
千寿郎が思わず肩をビクつかせた

「自分の子供が死ぬかもしれないような、
大怪我したって言うのに?
顔も見に来ないの?」
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