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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第63章 結納編 昼



床の間の前には赤い毛せんが敷かれた
専用の棚が設置されていて
こちらが結納返しを並べる為の
白木で出来た尺台が置かれている

風呂敷に包んでその隣に
飾りつけがすぐに出来る様にと
用意をしてくれていて

カナヲがその包みを開くと


こちら側からの結納返しの品の

カナヲがひとつ手に取って


私の隣に居たしのぶに手渡して


「では、こちらから…
あげはさん、貴方の手で
飾りつけをお願いします」


「ありがとう、しのぶちゃん」


しのぶから手渡された目録を台の上に置いた



「あら?これは…」


その途中でしのぶが何かを気がついて
一瞬険しい表情を浮かべたと思ったら
すっとすぐにいつもの顔に戻って

「しのぶちゃん?どうかしたの?」

「いいえ、どうもしません。
こちらの話ですので。
はい、あげはさん。次は、
こちらもお願いします」


そう言われて御袴料
(おんはかまりょう)の祝儀袋を
しのぶの手から手渡されて 
それを台の上に置いた


全ての品を並べ終えると


いよいよ結納が始まるのだと



それまでの実感がなく
半分信じられない様でいた

自分の中の気持ちが固まって来るかの様で


彼と 杏寿郎と結婚して夫婦になるのだと

ふんわりとしていた将来のビジョンが

確かな物へと変わって行くのを
自覚する事が出来て


杏寿郎が頑なになってまでも

今の時期に急ごしらえにでも

結納を透真さんとの決戦の前にしたいと

考えていたその理由が
これなんだなと思えて来て


「ん?あげはさん?
どうか…なさいましたか?」


考え事をしていて手が止まって居て
しのぶがこちらを覗き込みながら
声をあげはに掛けて来る

「ううん、何でもない。ちょっと
色々と考えてただけ…。飾りつけは
これで大丈夫?合ってるかな?」

「ええ、あげは姉さん。
大丈夫だから。安心して」

カナヲがそうしっかりとした口調で
こっちに言って来て頷く


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