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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第8章 療養編 蝶屋敷にて


「でも、まだ刀も打ち直しして
貰ってないですよ?
代刀で戦うおつもりですか?」

コンコン ドアをノックする音がして
距離を取り直し どうぞと返事をすると
アオイが中に入って来た

「炎柱様の、ご家族の方が
ご面会にお見えになられていますが?」
アオイの後ろから
1人の少年がおずおずと病室へ入って来た

髪の色と言い 目の形といい
杏寿郎をそのまま
小さくしたような少年だった
酷似してると言えるほど
よく似た容姿だったが

一つ異なる所は 形こそ同じであるが
その眉尻が下がっていて 困っているような
そんな表情に見えてしまう

その少年が一直線に杏寿郎に飛びついて来る
「兄上!兄上っ!…よくぞ、ご無事で…!!」
「千寿郎か!良く来てくれたな!
ああ、今回ばかりは
兄も、命がないと思ったぞ!」

抱きついている弟の体をしっかりと抱きとめて
安心させる様に その背中を撫でてやると
ギュッとしっかりと抱きしめた

「兄上!…兄上ぇ…。良かった…、兄上…」
「大丈夫だ!千寿郎…。
兄は生きている、だから安心するといい」

普段の声からは想像もできない位に
弟に呼びかける杏寿郎の声が優しい

きっと 彼の弟は
鴉に彼の命が危ないと言う報せを受けて
ここに来たのだろう

生死の狭間を一時的であったとは言えど
彷徨ったのは紛れもない事実であったし
実際彼が元気そうに振る舞ってるから
重症な様に見えないが普通に重症だ

しばしの感動の再会と抱擁を交わして
彼の弟も落ち着きを見せて来た
「すいませんっ、兄上。…同室の方も
おられるのに、お恥ずかしい姿を
お見せしてしまいました…」

彼の弟に落ち着いて来てやっと私が
視界に入ったらしく 恥ずかしそうにしていた

「紹介しよう、千寿郎。彼女は…あげはだ。
あげは!こっちは俺の弟の、千寿郎だ」
「…どうも」と千寿郎が小さく頭を下げた

こうして2人が並んでこっちを見ていると
本当にもう そっくりで
か… 可愛いっ!! 同じ顔なのに気弱そうで 
下がり眉のせいか また…カワイイっ
何とも 庇護欲を掻き立てられて
守ってあげたくなる…
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