第62章 結納編　朝

話半分にその親友の惚気話を聞いて
適当に流しながら
頭の後ろで手を組んで
宇髄が止めていた足を再び動かした


『あっ、ちょっと、天元？
僕のさ、話聞いてた？
僕はちゃんと答えたでしょ？
天元だって、あの３人のお嫁さんの笑顔と
幸せだったら欲しいでしょ？違うの？』


『ん？んなの当たり前じゃん。
でも、アイツ等は神頼みなんかじゃなくて
俺が、笑顔にしてやりてぇし？
俺が幸せにしてやりてぇの。
捨てさせた物、補ってやりてぇし。
それ以上の物を
アイツ等に与えてやりてぇ訳よ？』


『あははは、流石天元。男前だ。
あの３人のお嫁さんの、
旦那さんなだけあるよ。
僕も天元のそう言う所、見習いたいな』


『幸せに決まってんじゃん。お前みたいな
派手に馬鹿強ぇえいい男に惚れ込まれて。
幸せじゃねぇ訳ねぇだろ？』


俺のその言葉に驚いた顔をして

透真が目を見開いていて


『そ、そうかな？そうだと…いいんだけど』

『親友である、俺様が保証してやるよ。
お前みたいな男に愛されてる
アイツは幸せもんだって…な』





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閉じた瞼の裏に


あの　あの時と変わらない



アイツの　透真の穏やかな笑顔を



宇髄は見た様な気がした



「俺なんかよりも、
お前の方がさ、よっぽど男前じゃん？」



顔を上げると　自分の可愛い嫁達がいる

俺がその名を呼べば

こちらを向いて　返事を返してくれて

俺に笑顔を向けてくれる　嫁達が居る


お前は大した男だよ


俺はお前には一生敵わねぇし？


煉獄が気の毒だとも思っちまうんだわ



なぁ　透真…



今のお前の欲しい物は　同じ…なんだよな？


あの頃のお前が　欲しいって言ってた物と



同じ…なまま　だよな？透真






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