第62章 結納編 朝
上弦の鬼…
先日の無限列車の任務で
上弦の鬼に兄上と姉上が対峙して
兄上と姉上に
あれだけの大怪我を負わせた相手
その上弦の鬼の2人分の実力なら
単純に考えれば
その三上透真と言う鬼の力は
柱…6人分…と言う事なのだろうか?
そう千寿郎が考えていると
「柱…7人…と考えてもいい位だな」
そう槇寿郎が隣でぼそりと呟やいて
「後は、俺の継子である、隊士3人が
この戦いには参加しますが。
俺は彼らが戦況の鍵を握っているとも
そう考えています」
「戦況は、この数を持ってしても。
かなりに苦戦を強いられるかと。
しかし、誰一人、欠けさせるつもりはありません」
そう真っすぐな視線をあげはが
槇寿郎に対して向けていて
そこには並々ならぬ決意を感じる
スッとあげはが瞑目すると
ゆっくりと瞼を開いて
そのに瞳に 強い意思が宿るのが見えた
「彼の、三上透真の頸は私が撥ねます。
それは、他の誰にもお譲りは出来ません。
私がそうすべきであると、そう考えております」
ギュッとがあげはが
自分の膝の上に置いた手を
強く握りしめる
千寿郎がそのあげはの言葉を聞いて
何を言って良いのかと固まってしまっていた
だって…
今 その覚悟を口にした同じ口から
昨日 自分のこの耳で
その人への三上透真と言う方への
姉上の想いを聞いてしまって居たのだから
多大なる覚悟で その決意は出来るのだろうか?
自分のその手で 大切な人の全てを
終わらせる事への覚悟は…
決められる事なのだろうか…?
槇寿郎はのあげは言葉を静かに聞いていて
腕組みをしたままで目を伏せると
「ほう。あげは、お前は。
アイツと戦う覚悟を持っただけでなく、
透真の頸を自分が撥ねる覚悟も持って来たか」
「ええ、彼もそれを望んでおりますので」