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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第8章 療養編 蝶屋敷にて


「蜂蜜の入った塗り薬です。
よく効きますよ、ココに」
そう言ってチョンチョンと 指で自分の
唇をつついて見せた

「まぁ、私もそこまで野暮ではないので…。
禁止するつもりはありませんけど。
ほどほどにしておいて下さい。あー、これは
煉獄さんに言ってるんで、お忘れなくー」

そう意味深な言葉を残して
しのぶが病室を後にした

2人残されて
あげはは自分の手の中の
小さな軟膏を眺めていた

「杏寿郎さんの、せい…ですからね」
視線をこちらに向けずに
恨めしそうにあげはが言った
「す、すまない」

「そう言えば、間に合ったんですか?
蜜璃ちゃん達に追いつけましたか?」
「ああ、間に合ったぞ!
甘露寺も手伝ってくれるそうだ」
「え?何をです?」
手伝うとは一体 何をだろうか?
と考える事しばし

「不死川と宇髄も、
手伝ってくれるらしいがな!」
「それ…だったんですか…用件…」

思い立ったら即 行動するんだな この人は

「前に君の事で相談をした際に、甘露寺は
君の事を気にかけていたからな。協力を
頼んだんだ。まぁ、不死川と宇髄も…君の事を
気にかけてたのは俺も記憶してたしな!
鬼をのさばらせては置けないそうだ」
「義勇も…、一緒に戦ってくれるって
言ってくれたから」
「おお、そうか!それは頼もしいな!
…が、いいのか?」

冨岡にとって彼は 自分の師範に当たる
…心中は穏やかではあるまい

「辛い…戦いになると思うけど…、必要だと
思うから、私が前に進むにしても、義勇が前に
進むのにしても…」
ギュッと杏寿郎があげはの手を握った
「君だけの、問題ではないんだ!俺がいる!!」
そう言われて近づけられた顔に
あげはが瞼を閉じた

しばらくしてーーー
「だ、だから!それをするから、腫れるん
ですってば!」

恨めしそうな視線をあげはに向けられて
胸が痛んだが 悪かったと思いつつも 
またしてしまうかもしれない

「すまない、あげは。許してくれ」

あげはが徐にしのぶからさっき貰った
軟膏の容器の蓋を開けると
少し青味を帯びた軟膏を薬指ですくって
腫れぼったくなって熱を帯びた
自分の唇に乗せていく


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