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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第8章 療養編 蝶屋敷にて


彼を知りすぎていたからこそ
私も義勇も現実から目を背けてたんだ

「透真さんを…止められなかったのは、
俺も同じだ」

義勇は彼の 透真の継子だったんだし
義勇にとっても
辛い戦いになるのはわかっていた

「俺も、戦う」
「義勇。義勇にも…辛い思いをさせちゃうね、
でも…ちゃんと。前に…進もうね。一緒に」

あの時から止まったままの
私と義勇の時間を…動かすためにも

「その為に、透真と決別をしなくちゃね」

「それも、鬼の仕業か?」

義勇が何について鬼の仕業と言ったのか
理解ができずにあげはが首を傾げた

「え?鬼の仕業って…?」
「そこも、怪我をしたのか?…腫れている」


ガチャ 病室のドアが不意に開いて
杏寿郎が戻ってくる 目の前で
義勇があげはの唇に指を添えていて
杏寿郎は眉を顰めた

「いくら弟の様に思っていて、親しいとしても、
幾分…近すぎやしないか?」
「えっと、これは…怪我じゃないから…」
「そうなのか?…だが、痛そうに見えるが?」
至近距離で義勇があげはの顔を見ていて
「顔が近いぞ!冨岡!!」
そう言って杏寿郎まで顔を近づけて来たので
3人で顔を近づけるよく分からない
構図になってしまった

「で、3人は何をなさってるんですか?
にらめっこでもされてるんです?
申し訳ありませんが、
ガーゼ交換をしてもいいですか?」
回診に来たしのぶが3人に声をかけた

「ああ、胡蝶か、
あげはの唇が腫れていたから…」
「それですか?冨岡さん、
それは鬼の仕業ではありませんよ」

「そうなのか?」

「犯人なら、そちらにいらっしゃいますしね?」
とニヤニヤと笑いながらしのぶが
杏寿郎を見て言った
「ちょっと、しのぶちゃんっ!」
義勇に対してなんて事を言うんだと言いたげに
あげはがしのぶの名を呼んだ

「煉獄のせいなのか?」
「まあ、でも、冨岡さんが…
気がつく位ですから…先程の3人も
お気づきでしょうけど?包帯交換をするので、
冨岡さんも…席を外して下さいね」
義勇を病室から出すと
しのぶが手早く2人の傷の状態を確認し処置をする

「後、…これ、お渡ししときますね」

と言ってあげはと杏寿郎 それぞれに
小さな容器に入った軟膏を渡した



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