第61章 蜂蜜と房中術 ※Rー18
「これは、存外
難しい…のかも知れんな」
「しかしながら、少し片鱗は見えました。
杏寿郎、今のを、距離を置いて行えば。
恐らくに可能であるかと」
そうあげはが迷う様子もなく言って来て
あの色が消えて透明に溶けた世界が
この形の完成形なのだと感じた様だ
だが 実際に俺も
その瞬間に それを見た気がしたから
お互いの意思が同じ見解を同時に描いて居て
それが お互いの意思を交わした証拠に
なるのかと言われれば弱いがな
あげはが自分の瞼を
自分の両手の指先で押さえて
「目を広げる、と言う方が
イメージに近いのかも知れませんね。杏寿郎」
「場を制する者が戦いを制する…か、
強ち、違うとは言いにくいな。
確かに場を見れる程になれば。
戦はかなり有利になるが、間に合うのか?」
「明日、一日時間があります。その先にも。
この鍛錬は、別室や離れた状況である方が
より、効果も得られますでしょうから」
そう言ってこちらを見据える
あげはの目には迷いが見えないし
本気でそれを彼女が 言っているのが分かる
現に今 こうして
1時間ほどしただけで
これだけの物を得たからな
「三上透真の、動きの予測か?
俺の場を見る目と、君の場を見る目。
その二つで両眼とすれば、
ある程度の攻撃の予測は出来るだろうがな」
「それが可能になれば、
攻撃を範囲的に予測できますし、
お互いの意識を言語を介さずに、
伝える事が出来ますから」
そのあげはの言葉から
自分の脳裏にあげはが
描いて居る 彼との戦いの戦況が
見える様な気さえする…な
「これも、極めれば全集中の常中の様に、
四六時中お互いの、思考を繋いで居られそうだな」
「恐らくにではありますが、思考が、
四六時中明け透けになってしまいますが?」
常にお互いの意識を繋いで過ごす
神交術常中になれば
脳内まで曝け出したままになるのか