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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第60章 気遣いと気遣い 後編



僅かに唇の間から入り込む 

甘い蜜の味と

鼻を満たす どこまでも甘い香りと


唇を角度を変えて吸い上げる


その蜜の味に負けない位


甘い口付けに


トロトロと脳が蕩けて行くみたいだ


甘くて 溺れそう


蜂蜜の海に溺れるんじゃないかって

そんな勘違いをしてしまいそうな程に


甘い 


「甘い…な、風呂に入ったら
君の香りも取れてしまうのかと思って居たが。
風呂に入ったのに、まだ身体から
蜂蜜の香りがするんだな…」

ぴったりと身体を寄せて
抱きしめられながら
杏寿郎が首筋に自分の鼻を寄せて来て

その香りを吸われて嗅がれているのが分かる

「あの、でも、ご自身の唇の香りもあるのでは?」

「そうか、だから、どこを嗅いでも
蜂蜜の香りがするのか?なら、こうすればいい」

そう言ってペロリと
自分の唇の蜂蜜を杏寿郎が
舐め取ってしまって

もう一度舌で自分の唇をなぞると

「うむ。これで、もう俺の唇には
蜂蜜は残ってないぞ?この状態でなら」

と言ってまた身体を寄せて来て
香りを確かめさせろと杏寿郎が言って来て

『すいません、杏寿郎様、あげは様。
今、失礼をさせて頂いても大丈夫でしょうか?』

そう離れの入口から
普段は声を張り上げる事のない望月が
大きな声を出して問いかけて来て

慌てて 距離を離して
少しだけいつの間にか乱れていた
襟元をあげはが正すと

「ああ。問題ない。入れ、望月」

ガラガラと離れの戸が開いて
望月が熱燗にした日本酒と
1冊の本を届けに来た

「では、私はこれにて。後はお二人で、
本はそのままお持ちいただいて結構にありますので」

「あ、ああ。そうか、それはすまない」

そう本の返却については不要だと
望月が言って頭を下げて下がって行って


蜂蜜を入れて飲むと聞いていたが
どれぐらいが適量なのか分からず
ぐい飲み入れるのか銚子に入れるのかも謎だ


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