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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第60章 気遣いと気遣い 後編



「でも、そんな彼も
鬼を狩る時は別人だった。
その剣には一点の迷いも曇りも無くて
恐ろしい程に正確で、無慈悲。
無敗の鬼狩り…、彼と出会って
生きていた鬼は居ないって言われてた人」


姉上の言葉からは

尊敬の念を

その相手に対して
感じ取ることが出来る

姉上だって元柱なんだ

その姉上が その人の才能を褒め称えて


その相手が その言葉からも

その表情からも


姉上にとって 特別な存在であるのは


千寿郎にも感じ取る事が出来るから


「その、そちらの方…は何故…」


兄上と姉上の結婚を
望ましくないと思って居るのか
周囲に慕われて愛されていた
人徳者の様な人が 何故?


「その人が居たから、私は。
鏡の呼吸をね、使える様になったんだ」


千寿郎の質問に対して
その答えではなくて
三上透真と言う人についての
説明をあげはが更にして来て

ざわざわと心の中に
さざ波が立つのを感じる
目の前のこの人から
兄以外の男性の話を聞くのが

自分で聞いておきながらに
辛いと感じてしまっていて

「あ…、あの…ッ」

それ以上の事を語られるのを
こちらから 千寿郎が止めようかと
あげはに小さな声で訴え掛けようとした時


「私は…」


スゥっとあげはが自分の呼吸を整えて
千寿郎の方に視線を合わせて来ると
にこっと微笑を浮かべた


「私は、彼より強い柱は知らない。
それは槇寿郎様もご存じにあられるから。
さっきの、槇寿郎様の
様子がおかしいって
千寿郎君は感じなかった?」


「あの様な父上を、僕は存じ上げません」


先程の縁側でのやり取りを
千寿郎が思い返して
確かに父である 槇寿郎の態度が
気に掛る部分があったのは確かだった

その人を知って居ながらに
父は硬く口を閉ざしたままだったから



「あの、僕が…その方について
お聞きしてはならない、
お話だったのでしょうか?」




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