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その恋は琥珀糖のような【鬼滅の刃】【煉獄/救済】

第59章 気遣いと気遣い 前編



「すまんな、望月」

「ええ。恐らく、
私の推測にはありますが。
あげは様は、冷酒の方が
お好みであられるのかと。
それでは、私はこれにて」


「え、あの…ッ」


これはどう言う事なのかと
戸惑っているのあげは
後ろから声が聞こえて来て


「僕が、お願いしたんです。望月さんに」


後ろを振り返ると千寿郎が立って居て

千寿郎のその手には だし巻き卵と
お新香が乗ったお盆があって


「と言う訳だ、あげは。お前も座れ」

「しかし…、槇寿郎様」


『千寿郎坊ちゃま、お茶をどうぞ』


そう言って今度は一条が 
千寿郎のお茶を持って
縁側に運んで来て


「なら、千寿郎も座るしかないな」

そう杏寿郎が言って

「え?僕もですか?」

フッとそのやり取りを見て
槇寿郎が口の端を曲げると

「これは、俺が頼んだんだがな。
望月から千寿郎の依頼について
報告されたからな」

望月さんは自分がした事と言っていたが
私の分のお酒は 千寿郎君が頼んでいて
千寿郎君のお茶も一緒に飲めるように
槇寿郎様が頼んでくれてたって事…だよね

2人で飲む予定が

4人で飲む事になり


縁側に4つ 並ぶ影が

月明りで 縁側に映る



「いいもんだな、悪く無い」

そう槇寿郎が漏らす様にして言うと

「はい。また是非したいです」

そう千寿郎が言って来て


空に浮かぶ月を共に見上げる


「父上」

「どうした?杏寿郎、改まって」



「また、俺とこうして酒を
一緒に飲んで頂きたくあるのですが…」



杏寿郎のその言葉に
槇寿郎が目を細めて 



「全く、お前は、そう急ぐなと。
さっきも言ったばかりだろう?
俺の言いたい事を、
先に言うな。バカ息子が」

そう決まりの悪そうにしながら
槇寿郎がそう言うと
自分の手にあるお猪口を干して

杏寿郎が空いた
槇寿郎のお猪口に酒を満たした


ふふふとあげはが
槇寿郎の言葉を聞いて笑い出して


「杏寿郎さんも槇寿郎様も、
どちらも似た物親子にございますよ?」



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